Background

Lore

犯罪組織のボスの家に生まれた花桜梨とその兄の 大和にとって、父の死後に「セブンスムーン」の跡目を 継ぐのは自明のことでもあった。 そして何年もの間、 かれらは対等の立場で組織を率いて利益と成功を もたらし、やがてはアメリカへの進出をも目論むように なった。 思い描いていた計画は単純で、 大和がアメリカに渡って 花桜梨の国際的な存在感を高め、その間花桜梨は日本に 残って国内を統制する、といったものだった。 兄妹に とって不運だったのは、花桜梨が日本で指揮をとると いう計画を快く思わない部下たちがいたことだった。 そして迅速かつ暴力的な形で、反乱は発生した。 大和は花桜梨を守るために命を落とし、花桜梨と数人の 忠実な部下たちは、その大和の犠牲のおかげもあって、 日本からアメリカへと逃げ延びることに成功した。 アメリカに着いた花桜梨たちを出迎えたのは、 本来であれば大和が会う予定となっていた男であった。 彼は日本人の名前になじみがなかったため性別の 区別がついておらず、花桜梨のことを「ヤマト」と 呼んだ。花桜梨は男の間違いを正そうと思ったが、 結局そのままにした。兄の記憶を残し続けるためにも、 その名を名乗り、その夢を受け継ぐことが最善の 道であろうと考えたからだ。